頭部の前方回転を防ぐ、全く新しいエアバッグを開発せよ!

一見するとどれも、見た目は似ているエアバッグ。しかし実際は、日々集まってくる自動車事故や試験のデータを基に、新テーマを掲げる開発が常に進行しています。私が今でも覚えているのは、入社3年目で担当した、脳の後遺症を回避する運転席用エアバッグのプロジェクトです。起点となったのは、事故発生時に頭部が前後屈方向に回転すると、脳傷害を引き起こしやすくなるという事実。頭部の回転を防ぐエアバッグをつくるため、ゼロからアイデアを出す必要がありました。

従来のエアバッグは、2枚の布をつないだどら焼きのような形をしたもの。これが胸のあたりから飛び出し、乗員の胸と顎を拘束すると人の頭は前方向に回転してしまう。そこで考案したのが、胸のあたりから頭頂部まで全体を平面的に支える、エアバッグ。3枚の布をつなぎ合わせた、メガホンのような形が誕生しました。もちろん、エアバッグだけが開発できれば解決ではありません。収納する部材や製品の折りたたみ方もゼロから検討し、熱をかけて圧縮する製造技術も新たに開発しました。

世界の技術者が一丸となって、新しい安全を支えている。

全く新しいエアバッグなんて、どうすればいいのか。最初の頃はひとりで粛々と「自分がエアバッグだったらどう折りたたまれたいだろうか…」などと考えていた時間もあります。そんな中で助けになったのは、チームメンバー総出で行ったブレインストーミングでした。まずはアイデアを出してみよう。量産の可否は後から考えよう。フラットに意見を出し合うことでいくつものコンセプトが生まれ、それらの検証と試験から、メガホン型のアイデアが実現したのです。様々な仲間の視点と知見があれば、全く新しいテーマにも前向きに取り組めることを感じました。

チーム一丸となって取り組む姿勢は、国内だけでなくオートリブのグローバルでも共通しています。国を超えてお互いの製造拠点を見学し合うこともあり、最近では月に一度、世界中の技術開発者が参加するオンラインミーティングを実施しています。各国で見られるトレンドやお客様から寄せられる要望を共有したり、拠点で行った試験データを見ながらディスカッションしたり。「その資料、あとで送ってよ!」と言うときが、きっと次の製品開発がスタートする瞬間。私たちはいつも、仲間と切磋琢磨で、世界の命と安全を支えています。

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