デジタルビジネス変革は、オートリブの戦略の重要な要素
デジタリゼーションは、安全性と持続可能性を重視するとともに、オートリブのオペレーショナルエクセレンスの基礎となっています。オートリブはオートメーションにこれまでも重点を置いており、マーケットにおける当社の強力な地位の維持につながっています。
市場の変革者になる
オートリブは、モビリティと社会の安全において、マーケット・リーダーからマーケット・トランスフォーマー(変革者)への進化の道のりを計画的に歩んでいます。この歩みを可能にするため、私たちはリソースの配分を最適化し、ノウハウの共有を強化、タスクを迅速かつ大規模に達成するとともに業務効率を大幅に改善しています。自動車とモビリティの安全におけるデジタルトランスフォーメーションの道のりをリードする体制が整えられています。
包括的なデジタルトランスフォーメーションの確保
オートリブでは、誰もがデジタルトランスフォーメーションの道のりを後押しすると信じています。組織文化の転換を実現することで価値創造を加速させるために、明確な優先順位を持って、同じ目標に向け一丸となって取り組んでいます。
オートリブでは最も大きなインパクトを持つと考えられるデジタルトランスフォーメーションの重点的な取り組みを特定しました。これらは全て、部門横断的なチームが協働し、より高いレベルの効果をもたらす共通の迅速な方法を持つことが求められます。
オートリブCFO フレデリック ウェスティン
オートリブにおけるAI (Artificial Intelligence)
自動車安全分野のマーケット・リーダーとして、AIが私たちのビジネスの形成に大きな役割を果たすと考えています。そのため、オートリブではAI(人工知能)がもたらす可能性を常に研究し、探求しています。
オートリブでは、AIに関するトピックについて議論する際にアドバンスド・アナリティクスを活用しています。これは、人工知能を扱うプロジェクトの範囲をより広い視点で見ることができるためです。
私たちはAIと機械学習を用いることで新たな視野を開拓し、品質と効率の向上を図っています。AIのバックボーンは機械学習であり、既存のデータを見て、その情報を使って変革を実践することです。
オートリブではAIへの投資を大幅に拡大しており、新しいアイディアやソリューションを即時に検証するため迅速に動いています。
AI & デジタルトランスフォーメーションの事例
シートベルト・リトラクターのオーディオ分析
オートリブでは、現在約1億5,000万個のシートベルトを製造しています。
シートベルト・リトラクターのオーディオ分析は「安全の音(The Sound of Safety)」と呼ばれ、メキシコ・ティファナ工場で生まれた当社のAIソリューションの一つで、現在では社内でグローバルに採用されています。
以前は、リトラクターの試験は手作業で行う必要がありましたが、これはとても大変な作業でした。それを改善するため、リトラクターの音を聞き取り、どの部分が音を出しているのかを、人の手を借りることなく自動で教えてくれるシステムを作りました。多くの音を録音し、音のうるさい部分と静かな部分を区別するようコンピュータに教えました。
コンピュータ・ビジョン
オートリブは、品質におけるAIコンピュータ・ビジョンの高度な専門性を誇り、活用事例は70を超えています。現在は次世代のカメラとアルゴリズムに着手しており、その用途は物流、安全性、生産性、メンテナンスなど多岐にわたります。このアプローチは、社内および社外のオープンイノベーション・プラットフォームで採用されています。
自律移動ロボット(AMR)
オートリブでは、自律移動ロボット(AMR, Autonomous Mobile Robots)を主要な製造施設に導入し、大きな価値を提供しています。現在導入を進めているロボットも複数あり、段階的に世界中で導入を予定しています。ロボットの導入により、重量物の輸送の負担をなくし、時間消費を削減するとともに、スペースを開放し、労働力をより効率的、前向きな業務に割り当てることが可能です。さらに、工場内の安全性を大幅に高め、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。
ロボットが完全な部品を作り、より多くの人命を守る
オートリブではロボットをグローバルに導入しており、安全部品や製品を製造するオートリブの産業資産において重要な役割を果たしています。強化を予定しているロボットソリューションの一つに、異常改善及び改善のためのフィードバック・メカニズムがあります。要求される規格から遠ざかっている場合は、ロボットが自律的に再調整して要求された規格に戻すことで、完全な部品を一貫して生産することができ、結果的により多くの命を守ることに貢献しています。
その好例が、アメリカのブリガムシティにあるオートリブのインフレ―タ工場で、部品の製造に11台のロボットを使用しています。ロボットを使用することで、人間の知能を自動化に応用することができ、完璧な部品を作ることができます。ロボットは繰り返しの作業が可能なため、人間の介入によるばらつきを排除することができます。また、自身の動きや測定値から学習してデジタル化を活用する方法を生み出し、デジタリゼーションを取り入れることで、部品を作るたびに進化していくことができます。私たちはまだその可能性を探り始めている段階で、工場全体にこのアプローチを広げられる余地があります。
シートベルトの自動化
オートリブでは、完全自動化され、高い柔軟性を持つ高度な生産ラインを幅広く導入しています。さらに、工程内自動化ソリューションを数多く採用し、オペレーションの精度と信頼性をさらに高めています。こうした革新的なシステムが製造工程の各段階を最適化するために絶え間なく働くことで、一貫した品質を保証し、業界最高水準の規格を満たすことを可能にしています。
その好例として、オートリブ中国では、この原則を実践し生産能力に革命をもたらしています。30%から80%の人員削減を達成したほか、特定の工程のサイクルタイムを18秒からわずか15秒まで短縮することができています。このサイクルタイムの短縮は、生産量の増加に直結しています。