オートリブとSSAB、世界初の化石燃料を使用しない鉄鋼部品の共同開発に着手

オートリブとSSABは、エアバッグやシートベルトなどの自動車安全製品に使用される、化石燃料を使用しない鋼材部品の研究開発に向けた協業を開始しました。両社は、気候変動への影響を低減し、競争力を強化することを目的として、複数のパイロットプロジェクトを共同で立ち上げています。

オートリブ、気候変動対策に向けた長期的な目標で業界をリード

「自動車安全部品サプライヤーとして初めて、当社は2030年までに自社の事業活動においてカーボンニュートラルを達成することを目指しています。さらに、2040年までにはサプライチェーン全体でのネットゼロ排出を実現することを目標としています。

この目標達成に向けて、当社およびサプライヤーの事業活動における再生可能エネルギーの活用、エネルギーおよび資源効率の向上、低炭素物流や低炭素素材の導入などを通じて、CO₂排出量の削減に取り組んでいます。

私たちは今、このコミットメントを具体的な行動へと移し、お客様やパートナーのサステナビリティ目標の達成を引き続き支援できる体制を整えています。製品における化石燃料フリー鋼材への段階的な切り替えは、当社の気候目標達成に向けた重要なステップです。」

— オートリブ 社長兼CEO ミカエル・ブラット

「オートリブとの協業を心より楽しみにしており、同社の自動車安全製品向けに革新的な化石燃料フリー鋼材部品の研究開発を開始できることを嬉しく思います。気候変動への影響を低減し、競争力を高めることを目的として、オートリブとともに複数のパイロットプロジェクトを立ち上げています。」

— SSAB 社長兼CEO マルティン・リンドクヴィスト

鉄鋼製造における、唯一無二の化石燃料フリー・バリューチェーン

SSABは、2026年から化石燃料を使用しない鋼材の商業規模での供給を開始することを目指しています。2016年には、SSAB、LKAB、Vattenfallの3社が協力し、HYBRIT(Hydrogen Breakthrough Ironmaking Technology)プロジェクトを立ち上げました。

このプロジェクトでは、水素を用いた製鉄技術の開発が進められており、すでにパイロットプラントでは少量の水素還元鉄の生産に成功しています。2021年8月18日には、SSABが水素還元鉄を用いた世界初の鋼材を公開しました。

Fossil free steel

世界初、化石燃料フリー鋼材を使用した3Dプリント製シートベルトタングを発表

オートリブは、化石燃料を一切使用しない鋼材を用いた、世界初の3Dプリント製シートベルトタングを発表しました。自動車安全システムのグローバルリーダーである当社は、2040年までにネットゼロ排出を達成するというサステナビリティ目標の実現に向けて取り組んでいます。

戦略的パートナーであるSSABとともに、目標達成に向けたさまざまなプロジェクトを推進しており、その一環として、SSABのHardox鋼粉末を使用し、環境に配慮したPVDコーティングを施した化石燃料フリーのシートベルトタングの製造に成功しました。今後は、さらに低炭素なプラスチックによるコーティングを施すことで、製品全体のカーボンフットプリントをさらに削減することも視野に入れています。

また、SSABと連携し、将来的に商業規模で化石燃料フリー生産が可能となるさまざまな鋼種を用いた部品の製造・試験を進めており、3Dプリンティングなどの新技術の活用にも積極的に取り組んでいます。

オートリブ、ルレオにあるSSABの化石燃料フリー鋼材パイロット工場を訪問

2023年6月、SSABはオートリブをスウェーデン・ルレオにある既存の製鉄所および化石燃料フリー鋼材のパイロット工場に迎えました。訪問中、オートリブのチームはカーボンニュートラルな鋼材の未来が形づくられていく様子を目の当たりにしました。

このパイロット工場で製造される鋼材は、世界初となるカーボンフットプリントゼロの化石燃料フリー製鉄技術によって生み出される、非常にユニークなものです。

新しいHYBRITプロセスでは、従来の鉱石ベースの製鉄に必要とされていたコークスを水素に置き換えることを目指しています。オートリブにとって、製品に化石燃料フリー鋼材を段階的に導入していくことは、気候目標の達成に向けた重要なステップです。

行動で示すサステナビリティ

サステナビリティは、私たちの事業の中核をなす重要な要素です。私たちは長年にわたり、「製品を通して年間10万人の命を守ること」、そして「2030年までに自社の事業活動においてカーボンニュートラルを実現すること」を目標に掲げ、取り組みを進めています。