営業の仕事は、顧客(完成車メーカー)のニーズをヒヤリングしながら、顧客のニーズを満たす提案を、社内をリードしてまとめていくことが大きなタスクです。
営業の仕事で大きな部分を占める新規受注活動においては、顧客から要求スペック、コストターゲット、競合サプライヤーの状況などを情報収集し、競合に勝つための見積り提案を取りまとめていきます。それらの活動は、会社の売り上げ、利益の拡大に直結する仕事であるため、大きな責任を感じると同時に、受注を達成した際には、非常に大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。
また当社では、世界中に開発、生産、営業拠点を持っており、それらの現地担当者と頻繁にコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくことになります。そうしたグローバルな職場環境は、オートリブで働く上での魅力の一つです。
当社はSaving More Livesのビジョンに基づき、モビリティと社会に世界最高レベルの人命保護ソリューションを提供するというミッションを果たす為、世界各国に14か所のテクニカルセンターを保有しています。その一つである日本では、主に国内完成車メーカーのお客様に向けの設計開発を行っています。
製品により異なりますが、おおよその目安として受注してから生産ラインに乗せるまでひとつの製品あたり3~5年かかります。CADに向かって黙々と、というイメージがあるかもしれませんが、他のチームのメンバーや海外の拠点とも協力しながら一つのものをつくりあげていきます。
開発の流れは、設計で図面に起こしたものを、同じ技術部門である、試作部門で製作、実験評価部門で実際の性能を確認、それらの部署からのフィードバックをもらい、再度調整や修正を行って要求を満たす製品にしていきます。実際につくってみると、図面上では想定していなかった問題が発生する為、それらをひとつひとつ潰し込んでゆきます。人の命を守る為の製品なので、妥協は許されませんが、そこがやりがいになります。
設計・開発の社員インタビュー
設計が描いた図面をもとに、製品として機能する試作品を製作する仕事です。試作部門は大きく分けて、エアバッグの布の部分を作るテキスタイル開発部門と、組立を行う部門、試作に使うための部品を管理する部門があります。
量産と違い頻繁に仕様変更が発生する為、設備は使わず、ひとつひとつ手作業で製作をする必要があり、エアバッグの場合はミシンによる手縫いで図面通りにクッションと言われる布の部分をつくり、その後、他の部品を取り付ける組立作業を行います。
実際に製作しようとすると、図面通りの形状にならなかったり、図面通りに組み立てることができなかったりと様々な問題が発生します。それら不具合を設計部門に伝えることも重要な仕事です。またここで作った製品が実験に使われるため、手作業でつくったものが実際に開発に役立てられていることを実感できます
開発中の新製品が、客先から要求されている性能・品質を満たしているかどうかを検証し、不具合があれば原因を分析・フィードバックする仕事です。
エアバッグの実験では、衝突試験装置を使用して、実際の事故と同じような衝撃が加わった場合に人命が保護できるかを、人に似せたダミー人形を使って検証しています。このダミー人形には、様々なセンサーが組み込まれており、どのくらいの衝撃が加わったかを検証できるようになっています。
おおまかな実験の流れは、ホワイトボディと言われる開発中の車両に、エアバッグを取りつけ、ダミー人形をセット、衝突試験を実施し、コンピューター上で結果を検証します。これら一連の業務が仕事になる為、工具を使った部品の取り付け業務からパソコンを使った分析、検証まで仕事の範囲は多岐に渡ります。
実験評価の社員インタビュー
開発製品の品質管理業務は、設計段階でお客様から求められている機能や品質要件を考慮した品質の検討及び要件を充足させることです。品質に問題があれば、関係部署やサプライヤーに指摘し、改善をしてもらいます。
社内への改善要求はもちろん、サプライヤーなどの調達先にも、要求水準を満たしていなければ、どのようなところを満たしていないのか、明確にした上で改善の要求をします。人に依頼して進める場面が多くある為、人間関係を大事にしなければならない一方、指摘すべきところはきちんと指摘しなければならない仕事でもあります。
お客様やサプライヤーは国内のみでなく、海外に拠点がある場合もある為、時には英語でやりとりが発生します。当社の製品は、万が一の場合人命に直結する為、妥協せずに品質を追求することが求められます。また、品質管理の仕事はその他にも、量産している製品の検査工程や、その検査している工程が定められている法規通りに実施されているかを監査する部門、お客様との窓口になる部門などがあります。
製品を量産するための、生産ラインの工程設計をするのが生産技術です。具体的なものづくりのプロセスを立案する工程設計は、製品の品質や、コスト、生産効率を左右する社内でも重要な位置づけです。
量産の数年前から設計と生産技術で作り方や工程の方向性を決め、製品設計と工程設計を固めていきます。新規ラインの立上にあたっては、効率良く正確に製品を作れるようにすることを意識するのはもちろん、製造の人たちが安全に作れる為の仕組みや、仕様変更が発生した際も最小限の治具の交換で済むような工夫が必要です。
生産コストはもちろん、導入時の初期投資においても、専用設備を作らずに、汎用機械や既存の設備を上手く利用し、工程を工夫することで、数千万~数億円の経費削減に繋げることができます。経験則や柔軟な発想が必要とされる仕事です。
生産技術の社員インタビュー
お客様からの注文に基づき、生産計画を立て、計画通りに生産できるように部品を手配するのが生産管理の役割です。お客様からの注文に基づき生産計画を立てる部門と、生産するための部品を調達する部門、在庫管理や梱包、出荷を担う物流部門の3つの部門で構成されます。
部品の調達先であるサプライヤーは、中国をはじめとするアジアの国々やアメリカ、メキシコなどで、良いものを安く仕入れるため様々な国から輸入しています。調達先が多岐にわたるため、ストライキや自然災害の発生などのリスクもありますが、そうした場合でも計画通りの生産を行う必要があるため、部品の供給が止まらないように輸送手段の変更や代替調達先の確保などの対応も行います。
増産があった場合には、既存のラインで決められた納期までに納品できるよう、製造とすり合わせながら生産計画を組み替えるなど、生産が滞らないための調整役を担う、責任の大きい仕事です。
当社の工場の生産工程は従業員が手で組み立てる手組の工程と、設備、機械を操作して行う工程が中心です。
誰が作業しても行っても一定の作業時間内で、定められた品質の製品を作る必要があるため、入社した従業員には必ず教育を実施しており、入社時の受入教育、工場内の研修施設でのトレーニングを行ってから、ラインに配属しています。
また、継続的に利益を上げるには絶えず安全、品質、生産性を向上させなければならないため、作業者からの改善提案や、クロスファンクションチーム(関係する各部署)を巻き込んで改善に繋げます。日本での改善事例は当社の海外工場でも取り入れられており、当社のグローバル拠点の中でも、日本の生産工場は重要な位置づけになっています。